政府は秋にまとめる成長戦略第2弾に盛り込む設備投資促進策の議論を始めた。規制を強化することで企業に基準を満たしていない建物や設備の更新を迫る。2013年度税制改正で決めた設備投資額を10%増やした企業への税制優遇措置も利用が低迷していることから、企業の内部留保を投資に向かわせるよう規制を強化し、投資の前倒しを促す。
国土交通省は大規模な商業ビルや病院、ホテルなどの施設の耐震化を促す税制措置案を示した。11月までに施行する改正耐震改修促進法で企業が耐震性を高める投資を急がせると共に、床面積5000平方メートル以上の建物に耐震診断の実施を義務付け、結果の公表も求める。一方、耐震工事を行う企業などには固定資産税や法人税等を一定期間減税する措置も議論する。建物の省エネ化でも同様の措置を検討している。
経済産業省は最新の設備を導入する企業への減税を要望。消防庁はスプリンクラーなど消防設備の耐震化基準を設け、規制を強める方針。
{成長戦略第2弾 設備投資促進策}
投資促進策 |
検討案 |
規制案 |
建物改修 |
大規模な商業ビルや病院、ホテルなど耐震化を促す税制措置 |
床面積5000平方メートル以上の建物に耐震診断実施を義務付け結果を公表 |
鉄道施設への耐震工事で減税 |
耐震工事をする企業に固定資産税や法人税を一定期間減税する措置を議論 |
スプリンクラーなど消防設備の耐震化に基準 |
設備導入 |
先端設備の導入などで即時償却や税制控除 |
省エネの取組が不十分な場合の指導を強化 |
高効率ボイラーなど低炭素化設備導入で減税 |
産業の新陳代謝 |
事業再編投資で減税 |
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ベンチャー企業への投資で減税 |