政府は、2020年4月7日、緊急経済対策を決定する。事業規模は約108兆円でリーマンショック後の56.8兆円を上回る過去最大となる。
企業向け給付では、収入が半分以下に減少したことを条件に中小企業に最大200万円、個人事業主やフリーランスに最大100万円を給付する。家計向け給付では、世帯主の月収がコロナ発生前より減少した低所得者世帯と半分以上減った高所得者を除く世帯を対象に、1世帯あたり30万円を現金給付する。
新型コロナウイルスに対する治療効果が期待される抗インフルエンザ薬「アビガン」の増産を支援し、2020年度中に現在の3倍の200万人分の備蓄を確保する。新型コロナ患者を受け入れる医療機関に診療報酬を特例で増やす。全国で感染症向けの病床を増設し、人工呼吸器や人工肺も増やす。
日本企業が数多く進出する中国では、感染拡大で工場を稼働できなかったり、日本に部品を送れなかったりしている。中国に集中した部品の生産拠点などを国内に戻す企業に費用の最大3分の2を補助する。移転費用は大企業にも2分の1を補助する。東南アジアに移すなど日本以外への分散も支援する。
需要が急減した航空会社に対しては、日本政策投資銀行による危機対応融資を検討する。感染収束後には、経済のV字回復を目指し、観光やイベント事業で官民を挙げたキャンペーンを展開する。飲食店や学校の喚起設備の改善も支援する。
今後も機動的に対応できるよう新型コロナ対策の予備費を設け、1兆円を超える規模とする。
項目 | 内容 |
現金給付 | 中小企業に最大200万円 個人事業主に最大100万円 |
家計に1世帯あたり30万円 | |
医療 | 「アビガン」で200万人分の備蓄を確保 |
感染症向けの病床を増設 人工呼吸器や人工肺を増加 | |
生産拠点 | 中国に集中した生産拠点の国内移転に最大3分の2を補助 |
航空 | 日本政策投資銀行による危機対応融資 |
感染収束後 | 観光やイベント事業で官民を挙げたキャンペーンを展開 |