安倍晋三首相は、2020年4月6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、4月7日に緊急事態宣言を発令すると表明した。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都道府県が対象で、期間は2020年5月6日までとする方針。

宣言が出されれば都道府県知事は、法的根拠をもって要請することができる。事業者が正当な理由なく要請に応じない場合は、要請よりも強い指示を出すことができる。なお、要請や指示には罰則規定はないが、指示を出した企業名を公表できる。鉄道や道路などを強制的に止めたり、外出禁止を強制したりはできない。海外で実施されているような都市封鎖の状態にはならない。

一方、医薬品や食料品の売り渡し、土地の使用に関する項目では強制力を持つ。

都道府県知事は、医薬品や食料品の生産・販売・輸送業者らに売り渡しを要請できる。正当な理由なく応じない場合は、強制的な収用ができる。医薬品や食料品の保管を事業者に命令でき、従わずに物資を隠したりした場合は6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。臨時の医療施設を開設するため、所有者の同意がなくても土地の建物の使用が可能になる。

項目 内容
住民 食料品の買い出しや仕事などを除くが外出自粛を要請
施設 学校や福祉施設、映画館などの休業や使用停止を要請・指示
食料・医薬 必要物資の売り渡し要請 保管命令
物資輸送 ワクチンや食料などの緊急物資の運送要請・指示

 

【東京都】
東京都の小池百合子知事は、2020年4月3日、国が緊急事態宣言を発令した場合に備えた対応方針を公表した。外出自粛や大規模施設の使用、イベント実施の制限や停止を要請する。食料、医薬品を扱う店舗、銀行など社会インフラは引き続き営業を認める。鉄道などの交通網を維持する。

項目 内容
東京都対応方針 外出自粛や大規模施設の使用、イベント実施の制限
食料・医薬品を扱う店舗、銀行など社会インフラの営業維持
鉄道など交通網の維持