政府は企業支援税制の一環として、法人が特許の使用料など知的財産を活用して得た所得への課税を軽減する制度の検討に着手した。 パテントボックス制度と呼ばれ、研究開発で新たな技術やノウハウを優遇し、研究開発や生産拠点の海外流出を防ぐ。2013年度内にも同様の制度がある英国やフランスなどの実態調査に乗り出し、2015年度の税制改正を視野に入れる。 パテントボックス制度とは、法人所得から特許など知的財産で得た所得を切り出し、通常の法人税率より低い税率で課税負担を軽減する仕組み。英国は2013年4月から採用。法人税率は23%だが、知財所得に限って税率を10%に軽減している。企業はパテントボックス制度がある国に研究所などを置くことで、現地での特許権や商標権が生み出すロイヤルティー収入への税負担が軽くなる。 他国ではオランダ、スペインなど約10カ国が導入済み。 日本の法人実効税率は35.64%で、20%台が多いとされる欧州やアジアの主要国に比べ高くなっている。