パナソニック　米テスラのEV向け投資 2017/09/04

パナソニックは米テスラと連携して設置する大規模電池工場ギガファクトリー内でテスラの大衆向け電気自動車(EV)用リチウムイオン電池の生産を行う。初期投資額は200億円から300億円。その後、テスラのEV販売状況に応じて追加投資。総投資額は1500億円から2000億円となる見通し。総投資額は現在の年間純利益を超える大型投資。

ギガファクトリーへの投資

パナソニックが米テスラの普及型EV向け電池を独占供給

米テスラ・モーターズが2017年に発売予定の電気自動車(EV)の普及モデル「モデル3」に搭載されるリチウムイオン電池をパナソニックが独占供給するもよう。両社が共同で資金を出して2016年中の稼動を目指す電池工場「ギガファクトリー」で生産する。テスラは一部車種で韓国LG化学から電池の供給を受けるが、普及モデルは今後もパナソニックが調達の中心となる。

「モデル3」は2016年3月から予約を開始。1回の充電による走行距離は約320キロメートル。

車載用リチウムイオン電池シェアと主な納入先

【韓国LG化学】
韓国LG化学は、米テスラ・モーターズにリチウムイオン電池を新たに供給するもよう。テスラのEV向け電池はパナソニックがほぼ独占。テスラは電池の購入先にLG化学を加えることで、安定調達を目指す。

LG化学は2015年10月27日に中国・南京に新工場が完成。3つの生産拠点を持ち、合計の年産能力はEV18万台以上。

米テスラの計画

米テスラは大規模な電池工場の建設を計画。2020年には35ギガワット相当の電池セルを生産し、年間50万台の電気自動車に搭載する目標。総事業費は最大50億ドル(約5000億円)。2014年度にも新工場の建設に着手。2016年に稼動する計画。

【テスラEV生産台数計画】
電気自動車(EV)の生産能力を引き上げる計画。2014年の3万5000台から2015年に5万2500台に増やす。搭載する電池セルは1台に約7000個を使うもよう。

パナソニックとテスラ　家庭用蓄電池も共同生産

パナソニックとテスラモーターズは、太陽電池分野での協業に向けて検討を開始。ギガファクトリーでEV向けと家庭向け蓄電池を量産し、稼働率を引き上げ、投資を早期に回収する。また、電池の低価格化を目指す。

生産開始は2017年以降。販売は両社が手がける。大容量の企業向け生産も検討する。

パナソニックの業績推移

【オートモーティブ&インダストリアルシステムズ事業】
※リチウムイオン電池や車載関連機器、電装品など