政府は2020年までの5年間に官民で1000億円を投じ、国内のロボット関連市場規模を2012年の7000億円から2020年に2兆4000億円に拡大させる計画。
介護や医療、農業、インフラ点検、工場を重点4分野として集中的に支援。介護では職員が要介護者を楽に移動させられるように、身につけると力を増幅させる「パワーアシストスーツ」などの低価格化を推進。農業では無人のトラクターや農産物を運べるロボットなどの開発を支援。インフラ点検では橋やトンネルのひび割れを確認できる小型無人ヘリなどの開発を支援する。
政府のロボット普及5カ年計画
分野 | 内容 |
介護 | 介護保険適用 3年に1度→前倒し |
医療 | 医療ロボットの100件以上の実用化 審査件数1.5倍に拡大 |
インフラ | 全体の20%でロボット導入 |
災害対策 | 福島県で飛行ロボットなどの実証区域 |
農業・漁業 | 果樹採取や除草など12分野でロボット導入 |
サービス業 | 接客や旅館の裏方業務などにロボット導入 |
ロボット市場規模
経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、国内のロボット市場は2035年に9兆7000億円を超える見通し。このうちサービス分野のロボットは4兆9000億円を占める。また、経済産業省によると、国内の介護ロボット市場は2015年の191億円から2025年に3910億円となる見通し。
【国内ロボット市場】
2012年 | 2020年 | |
ロボット市場規模 | 7000億円 | 2.4兆円 |
【介護ロボット市場】
2015年 | 2025年 | |
介護ロボット | 191億円 | 3910億円 |
【国別台数】
2010年 | 2015年 | |
日本 | 2万1900台 | 3万5000台 |
北米 | 1万6400台 | 3万1000台 |
ドイツ | 1万4000台 | 2万台 |
韓国 | 2万3500台 | 2万5000台 |
中国 | 1万5000台 | 3万5000台 |
ロボット関連銘柄
分野 | コード | 企業 | 内容 |
ロボット | 9984 | ソフトバンク | ヒト型ロボット「ペッパー」を2015年内にも量産へ |
ヒト型ロボット「ペッパー」を2015年2月に発売 | |||
7021 | 川崎重工業 | 医療ロボットをシスメックスと開発 | |
中国で産業用ロボットの合弁設立 | |||
6506 | 安川電機 | バイオメディカルや医療・福祉向けロボットを開発 | |
自動車向けロボット | |||
2432 | DeNA | ZMPとロボットタクシーで合弁 | |
9749 | 富士ソフト | ヒト型ロボットを介護施設などに納入 | |
7779 | サイバーダイン | リハビリ用ロボットスーツ「HAL」 | |
作業支援用「HAL」 | |||
1925 | 大和ハウス | サイバーダインに出資 | |
7203 | トヨタ自動車 | リハビリ支援ロボット | |
7267 | ホンダ | 二足歩行・移動支援ロボット | |
8113 | ユニ・チャーム | 自動排せつ処理ロボット | |
6572 | パナソニック | 作業運搬などを支援する補助ロボットを2015年度に発売 | |
起立や歩行を支援する介護ロボットを2016年度に発売 | |||
6474 | 不二越 | 自動車や産業機械を始め電機・電子、食品、化学など向け小型ロボット | |
3444 | 菊池製作所 | 東京理科大学と筋肉を補助するロボットを共同開発 | |
部品 | 6594 | 日本電産 | ロボット向け減速機 |
6324 | ハーモニック・ドライブ | ロボットの関節に欠かせない精密減速機 | |
6268 | ナブテスコ | ロボットの関節に欠かせない精密減速機の世界シェア60% | |
6640 | 第一精工 | モノの回転力を検出するセンサー |