ZMPはロボットや自動運転車を開発。2012年から自動運転車両の外販に着手。トヨタ自動車のプリウスを自動運転仕様にし、大学や自動車、部品メーカーなどへの研究用途として販売。自動運転分野では、標識やGPSの位置情報に頼らず、カメラやレーダーで周囲の環境を把握するSLAM技術が強み。
2013年12月にはJVCケンウッドが出資。2014年5月には米インテル、2015年2月にはソニー、コマツも出資した。調達資金は次世代の車両や高精度システムの開発に充てる。
主要株主
コード | 企業 | 保有割合 | 出資額 |
3758 | ソニー | 2% | 1億円 |
6301 | コマツ | 5%未満 | 数億円 |
6632 | JVCケンウッド | - | 1億円 |
3663 | アートスパークHD | - | 0.2億円 |
- | 米インテル | - | - |
【ソニー】
約2%出資。出資額は約1億円とみられる。
ソニーは2015年12月から車載用画像センサーを量産。ソニーのセンサーが集めるデータを瞬時に解析するZMPのソフト技術を組み合わせ、カメラ複合部品を作製。衝突回避や車線逸脱防止など、安全機能を強化する国内外の自動車メーカーに供給する。また、自動車以外に建機や農機向けなどにも応用する。
【コマツ】
2015年2月12日に出資。出資比率は5%未満で、出資額は数億円とみられる。建設・鉱山機械の無人化・自動化で協業する。
【JVCケンウッド】
2013年12月20日に出資。ZMPの第三者割当増資で新規発行される普通株式の3分の1を引き受ける。出資額は1億円とみられる。
自動運転システム事業と自動車などの移動体に携帯電話などの通信システムを組み合わせて、リアルタイムに情報サービスを提供する事業で連携する。
【アートスパークホールディングス】
2013年12月19日、子会社のエイチアイがZMPが実施する3億円の第三者割当増資のうち2000万円を引き受けた。エイチアイはZMPとロボット制御用インターフェースの提供に取り組んでいる。
自動運転用OSを開発
ジグソーとZMPは、2016年1月19日、自動運転用の基本ソフトの共同開発を開始したと発表した。様々なセキュリティ・耐久性に関するテストを公道実験などを通じて繰り返し、世界で最も強固な独自OSの開発を目指す。
ロボットタクシー事業化へDeNAと合弁
ZMPとDeNAは、2015年5月12日、ロボットタクシー事業の実現に向けた研究開発などを行う合弁会社を設立すると発表した。ZMPの自動運転技術とDeNAのインターネットサービスのノウハウを連携。自動運転技術の向上やサービスモデルの仮設検証などの実証実験を重ねる計画。
ロボットタクシー事業は運転手なしで利用客を目的地に送るもの。2020年の東京五輪をめどに実用化を目指す。
項目 | 内容 |
出資比率 | DeNA66.6% |
ZMP33.4% | |
取組 | 自動運転技術の向上 |
サービスモデルの仮設検証 |
データ解析に事業領域拡大
2015年4月21日、テクノスデータサイエンス・マーケティングと資本提携を発表。テクノスデータサイエンスは、製造業や金融業、流通業など幅広い業界で、顧客マーケティングや在庫管理、機械故障、交換の予兆管理などデータ解析ノウハウを保有。ZMPとテクノスデータサイエンスは、自動車メーカーや部品メーカー向け先進運転支援システムや物流支援ロボット、24時間見守りサービスなど、センサデータをクラウドに収集し、ビッグデータ解析まで一貫して行うソリューションを共同開発。事業領域を拡大する。
自動運転 予測技術の開発
日本自動車研究所(JARI)とNEC、パイオニア、ZMPは自動運転システムであらかじめ危険を予測し、運転に反映させる予測技術の開発に着手。2019年の実用化を目指す。ZMPが開発するドライブレコーダーで車の周囲の様子と運転手の顔の向き、視線、手足の動きなどを記録。パイオニアは全国の道路上で急ブレーキが踏まれやすい地点のデータを提供。NECは人が危険を予測する際の思考パターンを分析し、自動運転プログラムを作り上げる。経済産業省も加わり5年間で約10億円の予算を見込む。
企業 | 内容 |
ZMP | ドライブレコーダーで車の周囲と運転手の動きを記録 |
パイオニア | 急ブレーキが踏まれやすい地点のデータを提供 |
NEC | 人の思考パターンを分析し、プログラムを作成 |
ZMPの業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2016年(1-9月) | 6.5億円 | ▲0.7億円 | ▲1.9億円 | 10億円 | 12億円 | 80.1% |
2015年 | 7億円 | ▲0.5億円 | ▲0.5億円 | 12億円 | 13億円 | 90.3% |
2014年 | 6.3億円 | 0.9億円 | 0.8億円 | 9.6億円 | 10億円 | 90.3% |
2013年 | 4.2億円 | 1.1億円 | 1億円 | 4.7億円 | 6.2億円 | 76.5% |
2012年 | 2.3億円 | 0.3億円 | 0.3億円 | 0.6億円 | 1.6億円 | 40% |