産業用ロボット市場が拡大している。産業用ロボットの出荷額は2016年に7000億円、2017年に7500億円になると試算されている。人手不足が続く日本に加え、中国など新興国の人件費高騰を背景に、製造現場の自動化ニーズが高まり世界でロボット需要が増加。現地生産や内陸部への進出の動きが出ている。
産業用ロボット企業 2017年注目の動き
企業 | 動き | 期間 |
ABB | 中国内陸部で販売拠点を開設 | 2017年中 |
東芝機械 | 中国で産業用ロボットの生産開始 | 2017年2月 |
ファナック | 2020年までに生産能力を2倍に引き上げ | ~2020年 |
安川電機 | スロベニアに生産拠点を設立 | 2018年9月 |
【ABB】
産業用ロボットで世界4強の一角であるスイスのABBは、2017年中にも中国内陸部の重慶に、大規模な販売・サービス拠点「アプリケーションセンター」を開設する。中国内陸部では経済発展のための投資機運が高まっており、自動化需要の取り込みを狙う。
【東芝機械】
中国上海で産業用ロボットの生産を2017年2月にも開始。現地生産で為替リスクを抑え、競争力を引き上げる。売れ筋の水平多関節ロボットを月100台で生産。需要を見ながら月200台程度まで増やすことを想定する。また、生産品目も順次広げる方針。
【ファナック】
産業用ロボットの生産能力を月5000台から1万台と2倍に引き上げる。500億円を投じて茨城県にロボット工場を新設し、溶接や箱詰めに使うロボットの生産を増やす。2020年までに稼働させる。
【安川電機】
スロベニアに産業用ロボットの生産拠点を設立。2018年9月の稼働を予定している。自動車産業向けのアーク溶接用ロボットや食品産業向けの搬送ロボットなどを生産し、月産300台体制とする。サプライチェーンも構築し、中東やアフリカ地域への供給を狙う。