産業用ロボット市場が拡大している。産業用ロボットの出荷額は2016年に7000億円、2017年に7500億円になると試算されている。人手不足や少子高齢化が進む日本に加え、中国など新興国の人件費高騰を背景に、製造現場の自動化ニーズが高まり、世界でロボット需要が増加。現地生産や内陸部への進出の動きが出ている。
産業用ロボット 2018年の注目の関連銘柄
コード | 企業 | 内容 | 年 |
6506 | 安川電機 | 世界で月産5000台に | 2019年 |
6954 | ファナック | 生産能力を月5000台から1万台と2倍に引き上げ | ~2020年 |
6324 | ハーモニック | 産業用ロボット向け減速機の国内生産を2.5倍に | 2020年 |
6268 | ナブテスコ | 産業用ロボット向け減速機の生産能力を2割増 | 2017年中 |
産業用ロボット
【安川電機】
産業用ロボットの生産能力を2019年までに世界で月産5000台に増やす。中国に新工場を建設し、2019年までに中国での月産台数を1200台以上と現在の2倍に増やす計画。車の製造ラインで使う多関節型ロボットなどを生産する。2018年以降に生産を開始する。
また、スロベニアでも新工場を建設。投資額は約30億円。2018年9月の稼働を予定している。自動車産業向けのアーク溶接用ロボットや食品産業向けの搬送ロボットなどを生産。月産300台体制を計画する。欧州市場の競争力強化や新たなサプライチェーンを構築し、中東やアフリカ地域への供給も担う。
【ファナック】
産業用ロボットの生産能力を月5000台から1万台と約2倍に引き上げる。約630億円を投資じて茨城県にロボット工場を新設。溶接や箱詰めに使うロボットの生産を増やす。2020年までに稼働させる。
産業用ロボットの基幹部品 精密減速機
精密減速機は、多関節ロボットの腕を動かすモーターを制御し、力を生み出すための基幹部品。多関節型など産業用ロボットに欠かせない。産業用ロボットの市場拡大に伴って需要が膨らんでいる。
【ハーモニック・ドライブ・システムズ】
産業用ロボット向け精密減速機の国内生産を2.5倍に増やす。新工場を建設し、2020年をめどに日本の月産台数を現在の8万台から20万台まで増やす。海外生産も増やす。投資額は最大で300億円となる見通し。
【ナブテスコ】
産業用ロボット向け精密減速機を増産する。2017年中に生産能力を2割増の年80万台体制に拡大し、需要増に対応する。日本の主力工場と中国の工場に計70億円を投じる。