政府は人工知能(AI)を使った高精度の同時通訳システムを2020年の東京五輪・パラリンピックまでに実用化する。スマートフォンなどの携帯端末でリアルタイムの通訳を実現し、ビジネスや観光、医療で課題となる言葉の壁をなくす。訪日外国人が気軽に楽しめるまちづくりにつなげる。

総務省が管轄する情報通信研究機構(NICT)が中心となり、パナソニックやベンチャーと連携してシステムを開発。2019年度までに100億円を投じる計画。完成したシステムは国内外の機器メーカーにライセンス供与する。

ディープラーニングを使って通訳の制度を向上する。スマホのほか腕時計や小型スピーカーなどの活用を想定している。観光地にある看板をスマホのカメラで撮影するだけで、自動で他の言語に翻訳して表示するアプリケーションの開発も同時に行う。


翻訳システム 東京五輪に向けた動き

コード 企業 取り組み
3776 ブロードバンドタワー 訪日外国人向けリアルタイム翻訳サービスを開発
6752 パナソニック 自動翻訳機を2018年に実用化。2020年に10カ国に対応させる


【ブロードバンドタワー】
ブロードバンドタワーと日本マイクロソフト、豊橋技術科学大学は、機械学習技術を使った訪日外国人向けリアルタイム翻訳サービスの開発で協力。外国語の音声を送ると即時に翻訳した日本語音声を返したり、日本語の文章を送ると外国語に翻訳して文字データを戻したりできるようにする。

豊橋技術科学大学が特定分野に絞って収集した大量の対訳データを機械学習し、分野ごとの正確な翻訳用辞書を作成。マイクロソフトの翻訳サービスに組み込んで高品質な翻訳を実現する計画。旅館や店舗などがシステムやアプリから呼び出して使える翻訳サービスを目指す。


【パナソニック】
パナソニックとJTBは、2015年7月にパナソニックの自動翻訳機をJTBの取引先ホテルに導入し、実証実験を開始した。受付窓口にディスプレーを設置し、観光客と従業員がマイクでやりとり。話した言葉をクラウド上で高速処理し、約2秒で自動翻訳するという。日本語、英語、中国語、韓国語の4ヶ国語に対応。2018年に実用化。2020年には10カ国に対応させる。

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