米ソーク研究所などのチームが2017年1月26日、人のiPS細胞をブタの受精卵に注入し、人の細胞がまざったブタの胎児を作ることに初めて成功したと米科学誌セルに発表した。チームは人の皮膚から作ったiPS細胞を、1466個のブタの受精卵に注入し、41匹のブタの子宮に戻した。186個の受精卵が最長4週間育って胎児となり、うち67匹が人の細胞を持っていることが確認できたという。ただ人の細胞が含まれる割合は、ブタの細胞10万個に対して1個以下と少なく、注入するiPS細胞は、やや分化の進んだタイプのものが成功率が高かったという結果がでた。将来的にブタの体内で人の臓器を作り、人に移植する再生医療につなげることを目指す技術だが、日本では人のiPS細胞を動物の受精卵に注入することは認められているが、それを子宮に戻す実験は禁止されており、倫理的に問題だとする指摘も根強い。
 

米研究チーム 人の細胞持つブタ胎児の作製に成功

項目 内容
対象 人の細胞がまざったブタの胎児の作製に成功