学校法人慈恵会医科大学や大日本住友製薬など5者は、2019年4月5日、iPS細胞を用いた「胎生臓器ニッチ法」で腎臓再生医療の実現を目指し、共同研究を開始すると発表した。2020年代の実現を目標とする。
胎生臓器ニッチ法とは、動物の発生段階である胎仔の中で臓器が発生する場所に、別の動物から目的とする臓器の前駆細胞を注入し、臓器に分化誘導する方法。
腎臓再生には、ヒトiPS細胞から分化誘導したネフロン前駆細胞を「ヒト腎臓再生医療用遺伝子改変ブタ」の胎仔から採取した腎原基に注入し、腎原基を患者に移植することで、機能的腎臓の再生を目指す。
腎臓再生医療の事業化は、5者協力のもと、大日本住友製薬が担う。
国際腎臓学会によると、世界中で腎移植などを必要とする患者は530万人~1050万人と推計される。日本では腎臓移植希望登録数の約1万2500件に対し、腎臓移植例は約1750件となっている。