京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授らは、iPS細胞ができる仕組みの一部を解明した。
iPS細胞は4種類の遺伝子を皮膚細胞などに導入して作る。できたiPS細胞は品質にばらつきなどが出、原因はよくわかっていなかったが、iPS細胞を作る際に導入する遺伝子がレトロウイルスの活性化を一時的に促していることを解明した。レトロウイルスを活性化できれば、4種類の遺伝子以外でもiPS細胞を作製できる可能性があるとしている。
レトロウイルスとはエイズや成人T細胞白血病などを引き起こすウイルスの種類で、ウイルスの遺伝子であるRNAを元にしてDNAを増殖するという特徴がある。なお、レトロウイルスはヒトゲノム(全遺伝子情報)に組み込まれており、ウイルスとしての機能はないという。