慶應義塾大学の福田恵一教授ら研究グループは、iPS細胞で肥大型心筋症の治療薬候補を見つけた。今後、製薬会社と効果があるかを検証する。

肥大型心筋症とは心臓の筋肉が厚みを増して硬くなり、血液を押し出す機能が衰える病気。原因となる遺伝子変異は1000種類以上で、同じ変異でも重症状に差がある。患者数は2万人以上と推計されている。

研究チームは、iPS細胞から心筋細胞を作製。血管を収縮するホルモンを加えたところ、筋肉の線維に異常が起きた。一方、ホルモンを抑える肺炎の薬を与えると正常な細胞に戻ることが確認された。