京都大学iPS細胞研究所の山中伸也所長らは、iPS細胞を神経細胞に育てたとき、がんになる危険性の高い細胞を見分ける方法を開発した。
複数の提供者から作った45種類のiPS細胞を培養して神経細胞に育てて比較したところ、100%近く神経細胞になる品質の良いiPS細胞がある一方で、80~90%しか変化しない品質の悪いiPS細胞があった。品質の悪い細胞をマウスの脳に移植するとがんになる危険性のある奇形腫と呼ばれる腫瘍ができた。
品質の良いiPS細胞と悪いiPS細胞とでは3種類の遺伝子の働き方が違っていたことから、この遺伝子に注目することで再生医療などでiPS細胞を利用する際に、品質の悪いiPS細胞を除去することが可能になるという。