文部科学省、厚生労働省、経済産業省の3省は、iPS細胞を用いた再生医療の確率やがん治療の促進を軸に2014年度の予算要求額を1200億円程度にする見通し。文科省が600億円、厚労省が400億円、経産省が160億円とみられ2013年度比20%の増加となる。
文科省は再生医療の実用化に向け、7月に選定を終えた京都大学や旭硝子など30の重点研究開発拠点に今後10年間で計1100億円を補助する。厚労省はiPS細胞を活用した創薬研究支援費を2013年度の1億円から大幅に拡充する。経産省はiPS細胞を大量に培養するための装置や技術の開発費で新たに25億円を要求する。
また、政府は秋の臨時国会に医療研究開発の司令塔機能を持つ「日本版NIH」を設置するための法案を提出する。従来は文科省が基礎研究、厚労省が臨床研究、経産省が応用と縦割りになっていたが、官邸による一元管理で予算の無駄遣いを抑えると共に、基礎から応用まで一体的な研究開発の体制を整える。