官民ファンドの産業革新機構、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタルはiPS細胞で血小板製剤の量産技術を開発中のメガカリオンに11億6000億円出資した。
メガカリオンは、京都大学と東京大学の研究グループが設立した企業で、iPS細胞を使い血小板を安価に量産する技術について2016年にも臨床研究を始める見通し。血小板とは、体内で血液成分の基になる造血前駆細胞が骨髄細胞の一種の巨核芽球になり、その巨核球がちぎれて産生される。メガカリオンはiPS細胞から増血前駆細胞を作り、巨核芽球に2つの遺伝子を導入することで、無限に増殖するように改良した。
血小板製剤は献血から作ったものも、iPS細胞から作ったものも、有効期限が4日程度にとどまる。しかし、この技術が完成すれば必要な時に必要な場所で血小板を大量生産することが可能になる。
日本赤十字社によると、少子高齢化の影響で2027年には国内で必要な献血量約549万人分のうち、約20%に相当する101万人分が不足する見通し。iPS細胞を使えば、効率的に血小板を製造でき、献血不足の解消につながる。