他人に移植しても拒絶反応が起きにくいiPS細胞を複数作って冷凍保存し、迅速に供給するための「iPS細胞ストック」を構築するため、2013年6月17日、献血者への協力呼びかけが京都市と大阪市の日赤献血ルームで始まった。 細胞を移植した場合に拒絶反応が起こる要因は、「ヒト白血球抗原(HLA)」という6種類のタンパク質の違い。HLAは人に2セット備わっており、同じ種類の型のタンパク質が移植されないと拒絶反応を起こす。 しかしながら、各タンパク質には多くの種類があり、全てが一致する人と出会うのは数千万人に1人という確率だという。 一方、他人に移植しても拒絶反応が起きにくい「特別な型」を持つ人がおり、こうした人の細胞は他人と適合しやすく、拒絶反応が起きにくくなる。 iPS細胞研究所は、この特殊な型を日本人に多い純から75種類揃えれば、日本人全体の80%をカバーできるとしており、献血者の協力を得て備蓄することにした。 なお、この75種類をみつけるためには約10万人の血液検査が必要となる。 血小板の成分献血をした人から該当する型を持つ人を探し、日赤が協力要請の手紙を送る。協力する場合はiPS細胞研究所に連絡し、説明を受けて採血。iPS細胞が作られる。 「iPS細胞ストック構想」では、2018年までに日本人の30~50%。2023年までに80~90%に移植できるiPS細胞を揃えることを目標にしている。