理化学研究所は、がん細胞を攻撃する免疫細胞「キラーT細胞」を活性化させることに成功した。
理化学研究所は、キラーT細胞を皮膚がんの患者から採取し、iPS細胞を作製。このiPS細胞を大量に増やしてT細胞にしたところ、病気で働きが落ちていたキラーT細胞が若返り、がん細胞を活発に攻撃する能力を取り戻すことを確認した。
がんになるとT細胞の多くが無力化され、免疫反応が弱まる。少数のT細胞を活性化させる従来の免疫療法と比べて、無限に増殖するiPS細胞を使えば、寿命が長い免疫細胞を大量に作れる。
理化学研究所は、2018年までにiPS細胞から作ったキラーT細胞の安全性や有効性をサルを使い調べる。
iPS細胞の活用法として、再生医療や創薬に次ぐものとして注目される。