和歌山県立大学の山上裕機教授らは、樹状細胞をマウスのiPS細胞をもとに大量に作ることに成功した。 がん細胞を捕まえて特徴を覚えることができる樹状細胞は、免疫細胞にがん細胞だけを攻撃するように指示する。樹状細胞をもとにがんワクチンを作るが、治療効果が期待できるほど大量の樹状細胞を確保するのは難しい。 研究チームは、iPS細胞から作製した樹状細胞が、悪性黒色腫(メラノーマ)というがん細胞を攻撃する機能があることをマウスの実験で確認した。2014年からヒトiPS細胞を使った実験を開始し、同じ結果が得られるかどうかを確認する。 iPS細胞の活用法として、再生医療や創薬に次ぐものとして期待される。