理化学研究所は、目の遺伝病である網膜色素変性と呼ばれる難病をiPS細胞を使って治す臨床研究の準備に着手している。
5年後の治療開始を目指し、iPS細胞から作った視細胞を移植して、視力の低下を抑える。
網膜色素変性症は、網膜の視細胞が異常を起こして発症する。計画ではiPS細胞をもとに作製した網膜組織から、視細胞を取り出して治療に使う。
理化学研究所では、万能細胞の胚性幹細胞(ES細胞)から立体的な網膜組織を作ることに成功している。こうした手法も応用すれば、治療に適した視細胞が得られると期待されている。
{[iPS細胞の主な臨床研究スケジュール[2326]]}
作製する細胞 | 対象疾患など | 臨床研究の開始時期 |
[網膜色素上皮細胞[2082]] | 加齢黄斑変性 | 2014~2015年 |
視細胞 | 網膜色素変性 | 2016~2017年 |
血小板 | 血小板減少症 | 2016~2017年 |
心筋 | 心筋梗塞 | 2016~2018年 |
神経幹細胞 | 脊髄損傷 | 2018年まで |
角膜 | 角膜損傷 | 2018~2020年 |
ドーパミン産生神経細胞 | パーキンソン病 | 2018~2020年 |
骨・軟骨 | 軟骨損傷 | 2020年以降 |
肝細胞 | 肝硬変 | 2020年以降 |
造血幹細胞 | 白血病 | 2020~2023年 |
腎臓細胞 | 腎臓病 | 2023年以降 |
{iPS細胞 臨床試験関連情報}
5月15日 [iPS細胞から造血幹細胞 白血病治療へ足がかり[2316]]
3月26日 [iPS細胞で軟骨再生 大量に培養できる手法を開発[2070]]
2月28日 [iPS細胞、世界初の臨床試験実施を申請へ[1986]]
{[網膜色素上皮細胞[2082]]}
・[加齢黄斑変性とiPS細胞を用いた治療法[2082]]
・[加齢黄斑変性のiPS臨床研究 安全性の確認が第一の目的[1986]]
・加齢黄斑変性のiPS臨床研究費用 患者1人あたり1000万円
【[iPS細胞関連情報へ[1987]]】