東京大学宮島篤教授らの研究グループは、ヒトのiPS細胞から血糖値を調節する膵島(すいとう)と呼ばれる組織を作り、マウスに移植して血糖値を正常に戻すことに成功した。 膵臓にある膵島はインスリンや血糖値を上げるグルカゴンを作る役割がある。インスリンを生まれつき分泌できない1型糖尿病の重症患者の治療は、現在膵島や膵臓を移植だが、提供者は不足気味になっている。 今回の研究では低分子の化合物を加えるなど培養条件を工夫し、iPS細胞を膵島細胞に成長させた。この膵島を、血糖値が高い実験用マウスに移植したところ、約1日で血糖値が下がり正常レベルになったという。この状態が約1ヶ月続いたとしている。 サルの実験などを経て10年以内に人での臨床研究に乗り出す計画。 【[iPS細胞関連情報へ[1987]]】