京都大学と東京大学の研究グループが設立したベンチャー企業・メガカリオンは、iPS細胞を使い止血剤の生産に乗り出す。年内にも生産技術を確立し、2015年に臨床試験を実施。2018年にも日米での販売を目指すとしている。
外科手術などに用いられる止血剤は、献血で得た血液を原料とする「血液製剤」の1つ。そのため、提供者から病原体が混入するリスクがある。血液製剤は過去に「薬害エイズ」や「薬害肝炎」などの問題が起きた。
一方、iPS細胞を使えば献血に頼ることなく、止血剤の主要成分の血小板を製造することができ、献血経由のウイルス混入リスクを抑えることができるため、ウイルスなどの感染リスクを減らすことができる。
iPS細胞を止血剤の主要成分である血小板を作る細胞に変化させる。次ぎにその細胞を無限に増殖させて血小板を大量生産する。
メガカリオンは、年内に京都大学内に研究施設を新設。米食品医薬品局(FDA)と厚生労働省の認可を得て、2015年以降に日米で治験を実施。安全性や効果が確認できれば2018年~2020年をめどに国内で実用化できる見通し。
また、iPS細胞をもとに開発した医薬品を大量生産する世界初のケースとなる。
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