京都大学iPS細胞研究所の桜井英俊講師らの研究チームは、筋ジストロフィー患者の皮膚細胞から作ったiPS細胞を効率よく筋肉細胞に変化させ、病態を再現することに成功した。
筋ジストロフィーとは、筋繊維の破壊・変性と再生を繰り返しながら次第に筋力低下が進行していく難病。根本的な治療法はまだ確立されていない。
従来は、筋細胞への変化を助ける試薬を人のiPS細胞に投与し、4~6週間かけて作製していたが、全体の4割ほどしか筋肉細胞にならなかった。
今回の成果では、筋肉細胞への変化を促す遺伝子をiPS細胞に組み込み、さらに試薬を投与したところ、2週間で9割が筋肉細胞になったという。
この方法で「三好型」と呼ばれる筋ジストロフィー患者の皮膚細胞からiPS細胞を作製し、筋肉細胞へと変化させた。
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