香川大学と京都大学iPS細胞研究所との共同研究により、ヒトのiPS細胞から、赤血球が増えるのを促すホルモン「エリスロポエチン」を生み出す細胞を作り出すことに成功した。
腎臓の疾患が原因で貧血になりやすい患者は全国に約25万人いるとされる。患者に同細胞を移植することで、注射療法より体への負担を減らすことができる。
香川大学の人見浩史助教授らが、ヒトのiPS細胞に複数の化合物やタンパク質を加えて生成した。生成した細胞から分泌されたエリスロポエチンを赤血球量が正常値の3分の2程度にまで減少したマウスに投与すると、ほぼ100%正常値に回復したという。
生成した細胞は市販の遺伝子組み換えエリスロポエチンと同等以上に貧血を改善することが証明され、本技術によって医療コストの軽減、市販のエリスロポエチンが効かない透析患者の特効薬となる可能性がある。
また、ヒトへの臨床応用には副作用の検証が必要としている。
【[iPS細胞関連情報へ[1987]]】