大阪大学では、人のiPS細胞から心臓の筋肉(心筋)シートを作る研究が進められている。 現在の重症心不全の治療法は、補助人工心臓の植え込みと心臓移植が主。人工心臓は年々性能が上がっているが、何十年も使える耐久性はなく、最終的には心臓移植が必要となるケースも多い。しかしながら、日本では心臓移植が必要な患者は1000人以上いるとされるが、脳死での臓器提供は年間20~30例にとどまっており、全く足りない状況になっている。 そこで、人のiPS細胞から心臓の筋肉(心筋)のシートを作り、心臓に貼り付け、重症心不全を治すことを狙いとしている。 京都大学iPS細胞研究所から提供されたiPS細胞に、特殊なタンパク質などを加えて培養し、心筋細胞へと変化させる。それを直径4センチほどのシートに加工し、心臓の表面のに貼り付けるという。 心筋梗塞をおこさせたブタに、人のiPS細胞で作った心筋シートを貼り付ける実験では、心機能の改善を確認できたもよう。貼った場所にがんができることもなく、安全面も問題無かったようだ。 人への応用は、3年後が1つのめどであるという。 【[iPS細胞関連情報へ[1987]]】