富士フイルムホールディングスは、2018年2月22日、富山化学工業の医薬品生産拠点に約40億円を投資し、新工場を建設すると発表した。抗がん剤「FF-10832」など独自技術を活かしたリポソーム製剤の治験薬製造や商業生産を行う。2018年9月に着工し、2020年2月に稼働する。
リポソーム製剤とは、細胞膜や生体膜の構成成分である有機物のリン脂質などをカプセル上にした微粒子の中に薬物を内包した製剤。抗がん剤「FF-10832」は、リポソーム製剤化していない既存薬に比べ、60分の1の低用量でも大幅に上回る薬効をマウスで確認。2018年度内の米国臨床第1相試験の開始を目指している。
調査会社のシード・プランニングによると、日米欧の遺伝子治療薬の市場規模は2016年の24億円から2030年に5兆6000億円と急拡大する見通し。