エボラ出血熱治療薬推移。主な企業や機関の動きを時系列でまとめた。


【富士フイルムホールディングス】
インフルエンザ治療薬アビガンが2014年11月からギニアでエボラ出血熱に対し臨床試験を開始。結果は早くて2015年3月になる見通し。富士フイルムはエボラ出血熱患者2万人以上に投与できるだけの在庫を保有。

内容
2014年 11月 ギニアで臨床試験を開始
11月中 アビガンを追加生産
2015年 3月 臨床試験結果

 

【グラクソ・スミスクライン カナダ公衆衛生庁】
英グラクソやカナダ公衆衛生庁が開発したワクチンは、2014年10月に臨床試験を拡大。11月に20人の健康な成人にワクチンを投入し、ウイルス増殖を抑える抗体ができていることを確認した。2015年初めにリベリアとシエラレオネなどで医療従事者ら数千人を対象に効果を確かめる大規模な治験を行う。 

内容
2014年 10月 臨床試験を拡大
11月 ワクチンの安全性を確認
2015年 初め 数千人規模の大規模治験

【ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)】
2015年1月6日、開発中のエボラ出血熱ワクチンの臨床試験を開始。欧米とアフリカで健康なボランティアを対象に治験。安全性と効果を確認できれば量産を開始する。J&Jの開発中のワクチンは、サルへの実験でエボラ出血熱ウイルスへの感染を予防する効果が確認されたという。

J&Jはワクチンの開発と量産体制確立のため、最大2億ドル(約210億円)を投資。2015年中に100万回分の生産を目指す。

内容
2015年 1月6日 ワクチンの臨床試験を開始
15年中 100万回分を生産

【世界保健機関(WHO)】
2014年10月21日、エボラ出血熱から回復した患者の血清を治療に使う体制をリベリアで整備すると発表。エボラ出血熱から回復した人の血液に含まれる抗体を輸血などで別の患者に注入すれば、理論上ウイルスに対する免疫を強めることができる。感染者の増加に伴い回復した人も増加。抗体を持つ血液は米国やスペインで治療に使われており、西アフリカでも本格導入する。 

内容
2014年 10月~ リビアでエボラから回復した患者の血清を治療に使う体制を整備