国際通貨基金(IMF)は、2015年11月30日、特別引き出し権(SDR)と呼ぶ準備通貨に中国の人民元を採用することを決めた。準備期間を経て、2016年10月に組み込まれる見通し。

SDRは、実際に市場に流通している通貨ではなく、複数の通貨を合成し、その総合的な価値を算出する仕組み。IMFはSDRを出資比率に応じて加盟国に供与。通貨危機時などにSDRを他国に渡してドルやユーロを調達できる。現在の組み入れ通貨はドル、ユーロ、円、ポンドとなっている。

SDRに組み入れられれば国際的に準備通貨と認められるため、元の保有を積み増す国が増えるとみられる。約11兆ドル(約1300兆円)の世界の外貨準備の一部が中期的に人民元に移行する見通し。


IMF 人民元を準備通貨へ

項目 予定
SDR 採用決定 2015年11月30日
組み込み 2016年10月


【SDR構成比】

  構成比
ドル 41.73%
ユーロ 30.93%
人民元 10.92%
8.33%
英ポンド 8.09%