国際通貨基金(IMF)の世界全体の成長率見通し。発表数値の推移やIMFによる各国・地域の分析内容などのポイントを発表年ごとに整理。
2015年発表
2015年 | 2016年 | |||||||
発表月 | 1月 | 4月 | 7月 | 10月 | 1月 | 4月 | 7月 | 10月 |
世界全体 | 3.5% | 3.5% | 3.3% | 3.1% | 3.7% | 3.8% | 3.8% | 3.6% |
米国 | 3.6% | 3.1% | 2.5% | 2.6% | 3.3% | 3.1% | 3.0% | 2.8% |
日本 | 0.6% | 1.0% | 0.8% | 0.6% | 0.8% | 1.2% | 1.2% | 1.0% |
ユーロ圏 | 1.2% | 1.5% | 1.5% | 1.5% | 1.4% | 1.6% | 1.7% | 1.6% |
新興・途上国 | 4.3% | - | 4.2% | 4.0% | 4.7% | - | 4.7% | 4.5% |
中国 | 6.8% | 6.8% | 6.8% | 6.8% | 6.3% | 6.3% | 6.3% | 6.3% |
インド | 6.3% | - | 7.5% | 7.3% | 6.5% | - | 7.5% | 7.5% |
ブラジル | 0.3% | ▲1.0% | - | ▲3.0% | 1.5% | 1.0% | - | ▲1.0% |
ロシア | ▲0.3% | ▲3.8% | ▲3.4% | ▲3.8% | ▲1.0% | ▲1.1% | 0.2% | ▲0.6% |
【10月】
2015年10月6日、世界経済見通しで2015年を3.3%から3.1%に、2016年を3.8%から3.6%に下方修正した。中国経済の失速をきっかけに、新興国の成長が鈍化する見通し。新興国の経済見通しは、2015年を4.2%から4%、2016年を4.7%から4.5%に引き下げた。
IMFは「潜在成長率の緩慢な伸びが総需要を湿らせ、投資を抑制するなど負のサイクルにある」「(米利上げ観測によるドル資金の流出が)新興国に多大な影響をもたらす可能性がある」とした。
日本は2015年を0.8%から0.6%、2016年は1.2%から1%に引き下げ。原油安や金融緩和でプラス成長を維持するも、中国など新興国の減速で輸出などが下押しする見通し。
【7月】
2015年7月9日、2015年の世界経済見通しを3.5%から3.3%に下方修正した。2016年は新興国で景気回復の動きが見込めることから3.8%に据え置いた。
2015年第1四半期は、厳冬や石油業界の設備投資削減で北米景気が減速するも、先進国全体では原油安などの影響で緩やかな前進基調にある。新興国市場は原油安や地政学的な不況の影響で後退局面にあるとしている。
【4月】
2015年4月14日、米国を3.6%から3.1%に下方修正。安定した雇用回復やガソリン安にかかわらず、実質賃金がふるわず想定ほど消費が伸びなかった。また、原油安でエネルギー関連投資が減る見通し。原油安や金融緩和を追い風に、日本は0.6%から1%、ユーロ圏は1.2%から1.5%に上方修正した。
米国利上げでは、一部の新興国や企業がドルの調達難に陥る恐れがあると指摘した。
【1月】
2015年1月20日、2015年の世界全体の実質成長率を3.8%から3.5%に下方修正した。ユーロ圏や中国、日本の景気減速が影響。原油安については原油急落で原油輸出国が打撃。米国利上げでは国際金融市場の深刻な不安定化の引き金になりかねないと指摘した。
米国はドル高の影響で輸出は減るも、利上げ後も3%台の安定成長が継続。日本は追加金融緩和や原油安、円安で次第に景気回復。ユーロ圏は金利低下やユーロ安がプラスに働くが、新興国市場向け輸出の低迷などからその効果が相殺されやすいとした。
新興国では、インドは原油安が経済に追い風。中国は主要経済指標が弱まっているが、中国当局はそれほど財政の政策対応をとらないと分析。中国経済の減速がアジア経済の成長を鈍化させるとみている。
2014年発表
2014年10月7日、2014年の世界全体の実質成長率を3.4%から3.3%に下方修正した。IMFは世界を取り巻く環境が7月の予想時よりもやや悪化していると指摘した。
米国と英国はいち早く金融危機から脱却しつつある一方、日本は消費税増税の影響で回復が遅れ、ユーロ圏はさらに需要が減退すれば、デフレに陥る危険性があるとした。
2014年 | 2015年 | |||||||
発表月 | 1月 | 4月 | 7月 | 10月 | 1月 | 4月 | 7月 | 10月 |
世界全体 | 3.7% | 3.6% | 3.4% | 3.3% | 3.9% | 3.9% | 4.0% | 3.8% |
米国 | 2.8% | 2.8% | 1.7% | 2.2% | 3.0% | 3.0% | 3.0% | 3.1% |
日本 | 1.7% | 1.4% | 1.6% | 0.9% | 1.0% | 1.0% | 1.1% | 0.8% |
ユーロ圏 | 1.0% | 1.2% | 1.1% | 0.8% | 1.4% | 1.5% | 1.5% | 1.3% |
ドイツ | 1.6% | - | 1.9% | 1.4% | 1.4% | - | 1.7% | 1.5% |
フランス | 0.9% | - | 0.7% | 0.4% | 1.5% | - | 1.4% | 1.0% |
イタリア | 0.6% | - | 0.3% | ▲0.2% | 1.1% | - | 1.1% | 0.8% |
新興・途上国 | 5.1% | - | 4.6% | 4.4% | 5.4% | - | 5.2% | 5.0% |
中国 | 7.5% | 7.5% | 7.4% | 7.4% | 7.3% | 7.3% | 7.1% | 7.1% |
インド | 5.4% | 5.4% | - | - | 6.4% | 6.4% | - | - |
ブラジル | 2.3% | 1.8% | 1.3% | 0.3% | 2.8% | 2.7% | 2.0% | 1.4% |
ロシア | 1.9% | 1.3% | 0.2% | 0.2% | 2.5% | 2.3% | 1.0% | 0.5% |