日本製紙は2016年12月15日、新素材「セルロースナノファイバー(CNF)」で強化した樹脂の生産を開始するため、静岡県富士工場に実証生産設備を設置すると発表。2017年6月の稼働を予定しており、年間10トン以上のCNF強化樹脂を生産できる。自動車、建材、家電など、幅広い産業へ向けてサンプル提供を行うという。富士工場ではCNFをナイロン樹脂などに約30%混ぜて、強度を高めたペレット状の樹脂を生産。京都大学などと共同で開発した工法で、コストを10分の1に抑えられる見込み。

17年4月に情報機器のディスプレーなどに使うCNFを宮城県石巻市、食品と化粧品向けを同年9月に島根県江津市で生産予定だが、CNF強化樹脂は、関東・中部地域での自動車用途などでの利用を見込んでおり、富士工場での実証生産を通じて実用化のスピードアップを図っていく。
 

日本製紙 車・家電向けにCNF強化樹脂生産

項目 内容
対象 富士工場にCNF強化樹脂の実証生産設備設置
生産能力 10トン以上/年
稼働時期 2017年6月