IoT関連株の2016年に注目しておきたい企業の動きをまとめた。

ファナックは、米シスコ・システムズと工場の故障を未然に防ぐ仕組みを2016年夏に実用化するもよう。生産ラインのロボット1台1台にセンサーを取り付け、温度や振動などのデータを解析。修理が必要になりそうな部品や時期を割り出す。

三井物産は、米GEとIoTを活用した鉱山運営で提携。建機類の稼働を効率化し、省エネで運営できるシステムを共同開発。2016年をめどに豪州などの鉱山に導入する。自社の鉱山コスト競争力を強化し、そのシステムを他の商社や資源メジャーに販売する。

NTTドコモは、米GEと共同展開するインフラの遠隔管理システムを2016年にも電力やガス会社、地方自治体などに販売する。GEが水道やガス、送配電設備などにセンサーを設置。NTTドコモの携帯回線を通じて振動や回転、温度などのデータを収集。集めたデータを解析し、設備の破損を予測したり、保守コストを引き下げる。

NTTコミュニケーションズは、世界130拠点以上で展開するデータセンターで集めた情報を世界188カ国で利用出来るようにする。サービス開始は2016年度。

NECは2017年3月までに、1万人いる情報システム製品の開発要員の1割をIoT業務に振り向ける。IoT関連製品の開発要員をグループ全体で現在の300人から1000人規模に増やす。また、水需要測量ソリューションを2016年度にも自治体や水道事業者向けに提供。余剰な増水や無駄なポンプ稼働を抑え、運用電力コストを低減できるようにする。

野村総合研究所は、日本生命と資本業務提携。クラウドやIoT、ウエアラブル端末、ビッグデータ、AIなどの研究や新たな保険ビジネスモデルを検討。2016年3月までに100億円をデータセンター建設に、240億円をソフトウエア開発に投資する。


IoT 2016年注目の関連企業の動き

コード 企業 内容 時期
6954 ファナック 工場の故障を未然に防ぐ仕組みを実用化 2016年夏
8031 三井物産 建機類の効率稼働や省エネで運営できるシステムを鉱山に導入 2016年
9437 NTTドコモ インフラの遠隔管理システムを提供 2016年
- NTTコム 世界188カ国で利用できるデータを提供 2016年
6701 NEC IoT関連製品開発要員を300人から1000人規模に増加 2017年3月
水需要測量ソリューションを提供 2016年
4307 野村総合研究所 IoTやAIなどの研究や新たな保険ビジネスモデル検討に投資 2016年3月