ロームは、2014年にIoTやセンサーネットワーク分野に向けて、ロームグループが持つセンサー技術を統合して開発に取り組む「センサ事業推進」を新設。独自のセンサー技術開発に加えて、制御技術、通信技術などを組み合わせ、拡大する市場に向けて取り組む。

ロームは、動きの変化を検出するモーションセンシングデバイスや周辺環境を測定するフィールドセンシングデバイスなどを保有。グループ会社のラピスセミコンダクタは超低消費電力技術を活かしたローパワーマイコンや無線技術を、Kionix社は超高精度なセンサー技術などを持つ。

ロームは、状態を検知するために必要な「センサー」とセンサーが得た情報を共有するための「ネットワーク」でIoT普及に貢献するとしている。


ロームのIoTに向けた取組

【センシングソリューション】
EMS(微小電気機械システム)技術を中核に構成される豊富なセンサーエレメントと、それぞれのセンサーエレメントを活かす最適な集積回路を合わせることで、センサー環境の構築を進める。


【ネットワークテクノロジー】
IoTやM2M(機器間通信)で考えられる、様々なネットワーク環境を構築するために必要な通信デバイスを多数開発。自由度の高いLSIと簡単に導入可能なモジュールを取りそろえ、市場のニーズに応える。


小型化からソフト開発へ

ロームは、2014年12月2日、フィンランドにソフトウェア開発センターを開設すると発表した。センターでは、センシングソリューション拡充の重要な役割を担うソフトウェアの開発や顧客サポートを実施。各種センサーのアルゴリズム開発なども行う予定。

電子部品メーカーは、部品内のメモリーにプログラムを書き込み、センサーで測定したデータを加工するソフト開発に軸足を移行。パソコンやスマートフォンでは電機メーカーが部品とソフトを組み合わせて完成品を製造していたが、IoTや自動運転などでは事前にソフトの組み込みが求められている。


投資

ルネサスエレクトロニクス子会社の滋賀工場の半導体生産設備を取得。取得時期は2016年2月。将来の半導体の需要増加に備え、自動車や産業機器などの電力を変換・制御する電子部品やセンサー向け半導体などの主力生産拠点として活用する。


ロームの業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 3880億円 400億円 300億円 - - -
2014年 3627億円 592億円 452億円 7524億円 8643億円 87%
2013年 3310億円 359億円 320億円 6633億円 7544億円 87.9%
2012年 2924億円 117億円 ▲524億円 6136億円 6990億円 87.7%
2011年 3046億円 72億円 ▲161億円 6342億円 7373億円 86%