ルネサスエレクトロニクスは、半導体とソフトウエアを一括提供する「ルネサス・シナジー・プラットフォーム」を2015年12月8日に開始した。ルネサスは提携企業を増やし、半導体とソフトウエアを一括で提供。顧客企業は製品・サービスの開発に集中できる。ルネサスは提携先のソフトウエアに対応した専用マイコンなどの半導体を販売し、収益を得る。
IoTとは、パソコンやスマートフォンなどの情報機器だけでなく、家電や工場の設備、道路、自動車、歯ブラシなど社会・産業インフラや日用品まで様々なモノをインターネットに接続し、得られるデータを活用することをいう。IDCジャパンは国内のIoT市場規模が2014年の9兆3645億円から2019年に16兆4221億円に、世界では2013年の1兆3000億ドルから2020年に3兆4000億ドルに拡大すると予測している。
【IoTの市場規模】
2014年 | 2019年 | |
日本 | 9兆3645億円 | 16兆4221億円 |
2013年 | 2020年 | |
世界 | 1兆3000億ドル | 3兆4000億ドル |
半導体とソフトウエアを一括提供「ルネサス・シナジー・プラットフォーム」
IoT分野で半導体とソフトウエアを一括提供するサービス「ルネサス・シナジー・プラットフォーム」を2015年12月8日に開始した。半導体とソフトウエアを別々に調達した場合、機能の検証作業に手間がかかる。双方を一括提供することで、機器間の通信する際の不具合が発生しにくくなるという。
通信やセキュリティーといった基本的なソフトウエアをルネサスが用意。顧客企業は製品・サービスの開発に集中できる。製品の早期市場投入や製品開発とメンテナンスにかかる費用の低減、時間や労力の極小化を実現する。
【ソフトウエア4社と提携】
ユビキタスとACCESS、図研エルミック、グレープシステムと提携。ネットワークに接続する家電や生活雑貨などを開発する事業者向けに、半導体とソフトウエアを組み合わせて提案する。
【米ベライゾン・コニュニケーションと提携】
米ベライゾンと提携。ベライゾンの携帯通信網を活用し、IoT端末とデータセンター間の通信サービスも提供できるようにする。農場などで使うセンサー端末やバス、救急車など屋外の広範囲のエリアでの通信に対応できるという。
産業革新機構によるルネサス株の売却提案
ルネサスエレクトロニクスが2015年3月期に黒字転換したことで、経営再建を果たしたと判断し、官民ファンドの産業革新機構は、出資比率を69%から50%未満に引き下げるために、国内大手製造業者に売却提案を始めた。
項目 | 内容 |
産業革新機構 | 69%→50%未満 |
ルネサスエレクトロニクスの業績推移
売上高 | 経常利益 | 純利益 | 純資産 | 総資産 | 自己資本比率 | |
2015年(予) | 5237億円 | 801億円 | 629億円 | - | - | - |
2014年 | 7910億円 | 1053億円 | 823億円 | 3119億円 | 8400億円 | 36.8% |
2013年 | 8330億円 | 586億円 | ▲52億円 | 2273億円 | 7860億円 | 27.3% |
2012年 | 7857億円 | ▲268億円 | ▲1675億円 | 779億円 | 6691億円 | 10% |
2011年 | 8831億円 | ▲612億円 | ▲626億円 | 2265億円 | 8582億円 | 25.4% |