NECは、2015年7月23日、IoT関連事業で新たに5種類のソリューションを開発し、順次発売すると発表した。また、IoT関連システムの構築を行う中核的な要員を現在の100人から2020年までに約500人に増員。2020年のIoT事業売上高を現在の6倍の3000億円に引き上げる計画。
2014年 | 2020年 | |
IoT関連売上高 | 500億円 | 3000億円 |
中核要員 | 100人 | 500人 |
IoTソリューションの開発計画
開発ソリューション | 提供先 | 発売時期 |
土砂災害の危険性がある斜面を素早く把握 | 官公庁・自治体 | 2015年度下期 |
水需要量を予測 | 自治体・水道事業者 | 2016年度 |
電力需要量を30分単位で予測 | 新電力 | 2015年7月 |
検品作業を自動化 | 物流事業者 | 2015年7月 |
VIP顧客検知支援 | 小売り・サービス事業者 | 2015年下期 |
【土砂災害検知・予測ソリューション】
土中水量を解析。土砂斜面の崩壊危険度をリアルタイムで算出できる技術を活用し、土砂災害の危険性がある斜面を素早く把握できるようにする。官公庁、自治体向けに提供。発売は2015年度下期を予定。
【水需要予測ソリューション】
配水対象エリアの需要量を予測。余剰な造水や無駄なポンプ稼働を抑え、運用電力コストを低減できるようにする。自治体や水道事業者向けに提供し、発売は2016年度を予定。
【電力需要予測ソリューション】
ビッグデータ分析技術を活用し、過去の電力消費量や天候、カレンダー情報などから電力需要量を30分単位で予測する。事業者の発電や電力調達で高率的な運営を支援する。新電力向けに提供し、発売は2015年7月を予定。
【画像・重量検品ソリューション】
画像認識技術と重量計を活用し、検品対象商品の品目と数量を瞬時に特定。バーコードなどの商品識別情報や人手による目視確認が不要となり、自動で正誤を確認。物流現場の出荷検品業務を効率化させる。物流業界向けに提供し、2015年7月23日に発売を開始。
【VIP検知接客支援ソリューション】
小売り店舗やホテルなどでIPカメラから収集された映像データを顔認識技術を用いて解析。来店したVIP顧客を見つける。また、不審者も検出し、安全な店舗運営を支援する。小売りやサービス業界向けに提供し、2015年度下期に発売を予定。
NECのIoT関連情報
【製造業向け生産工場システム】
工場内の設備や製品から収集するデータを分析し、製造現場の改善や新サービスにつなげるシステムやカメラ映像で作業者の動きを分析し、生産性を向上するシステムなどを構築する。2015年~2018年までの4年間累計で売上高2000億円を目指す。
製造業向け生産工場システム | 2015年~2018年 |
累計売上高 | 2000億円 |
【米で水道インフラ保守事業】
NECはIoTを活用し、米テキサス州で水道インフラの保守管理事業に参入する。受注額は数億円とみられる。開始は2015年内。期間は5年。
マンホール内にセンサーを取り付け、水が流れる音を収集。NECのサーバーに水流の音をデータとして収集・分析。水道管の漏水などのトラブルが発生している場所を特定する。IoTの活用でコストを半減できるという。
項目 | 内容 |
受注額 | 数億円 |
開始 | 2015年内 |
期間 | 5年 |
【企業のIoT導入を支援】
NECネッツエスアイ(NEC:38.3%保有)はソフトウェアやセンサー、システムまで手がけ、企業のIoT導入を支援。NTTドコモなどの回線を借りて再販する仮想移動体通信事業者(MVNO)方式で提供する。