産油国が原油安による財政悪化で、政府系ファンドの資産を取り崩す動きが出ている。なお、政府系ファンドの資産規模は計7兆ドルを上回り、世界の運用資産の約10%を占めると試算されている。

項目 内容
政府系ファンドの資産規模 7兆ドル
世界の運用資産に占める割合 10%


産油国 運用資産取り崩しの動き

 【ノルウェー】
ノルウェーは、2015年10月7日、歳入不足を穴埋めするため、政府系ファンドの資産を取り崩す方針を表明した。ノルウェーの財政は北海油田に依存。2016年度の原油収入を除いた財政赤字は280億クローネ増の2078億クローネ(約3兆円)となる見通し。原油収入は6%減の2041億クローネとなる見通し。財政均衡には37億クローネ必要になる。

項目 内容
財政 ▲2078億クローネ
原油収入 2041億クローネ
財政均衡必要額 37億クローネ


【サウジアラビア】
サウジアラビア通貨庁は、資産の約60%を占める外貨準備が2015年8月末で2兆5000億リヤド(約80兆円)と、ピーク時の2014年8月から約10%減少した。

  2015年8月
外貨準備 2兆5000億リヤド(前年比▲10%)


【ロシア】
ロシアは、2015年1~8月に9000億ルーブル(約1兆7000億円)を政府系ファンドから取り崩した。

  2015年1~8月
取り崩し額 ▲9000億ルーブル