イランは、2015年6月末を期限とする米欧など6カ国との核開発問題を巡る協議で最終合意に至れば、経済制裁が解除され、石油輸出が可能となる。2013年11月、欧米など6カ国と核問題をめぐる合意を受けて、経済制裁が一部緩和。2015年4月、イラン核問題の包括的解決に向けた枠組みで合意している。イランの原油増産への動向に注目が集まる。


イランの原油生産量推移

イランは経済制裁が強化される2011年以前の原油生産量が日量400万バレルとOPECで2位の産油国だったが、最近は300万バレル程度で推移している。

  2011年以前 2013年
イランの原油生産量 400万バレル 300万バレル


イラン核問題 主な枠組み合意内容

 米英独仏ロ中の6カ国とイランは、2015年4月2日、イラン核問題の包括的解決に向けた枠組みで合意した。2015年6月末までに最終合意をまとめる。イランは保有するウラン濃縮用の遠心分離機を3分の1に減らすなど10~15年間に渡り濃縮活動を制限する。国際原子力委員会(IAEA)が監視する。合意の履行確認後、原油輸出、金融取引などにかかっている対イラン制裁を停止・解除する。

項目 内容
ウラン濃縮 遠心分離機の設置数を3分の1の6104基に減少し、10年間は5060基のみ稼動
15年以上3.67%を超えるウランを製造しない
核爆弾1個分の核物質の獲得期間を2~3ヶ月から1年以上に延長
経済制裁 履行確認後、米国と欧州連合は制裁停止。違反があれば復活
査察 IAEAはイランの全ての核関連施設に定期的に立ち入り