旭化成は、2015年2月23日、米ポリポア社の全株式を取得すると発表した。取得額は約2600億円(約22億ドル)で、現金を対価に行う。

ポリポアはリチウムイオン電池の主要部材「セパレーター」を製造。成長が期待できるリチウムイオン二次電池用セパレータに加え、自動車や産業向け用途で広く普及している鉛蓄電池用セパレータも展開している。

旭化成のセパレータはパソコンやスマートフォン向けが中心なのに対し、ポリポアは自動車向けに強みを持っていることから、旭化成はポリポアとの協業で自動車向けなどの市場開拓を進める。


旭化成 米電池部材メーカー買収

項目 内容
投資額 2600億円
対象 米ポリポア株100%
事業 セパレーター製造

 

【ポリポア】

  2011年 2012年 2013年
売上高 809億円 765億円 750億円
経常利益 161億円 100億円 56億円
純利益 123億円 83億円 96億円
純資産 588億円 687億円 731億円
総資産 1748億円 1871億円 1829億円


旭化成の業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2015年(予) 2兆円 1665億円 1060億円 - - -
2014年 1兆9864億円 1665億円 1056億円 1兆977億円 2兆145億円 53.7%
2013年 1兆8977億円 1428億円 1012億円 9257億円 1兆9150億円 47.7%
2012年 1兆6666億円 951億円 537億円 8244億円 1兆8001億円 45.1%
2011年 1兆5732億円 1075億円 557億円 7192億円 1兆4105億円 50.1%
2010年 1兆5559億円 1182億円 602億円 6756億円 1兆4258億円 46.5%

【エレクトロニクス事業】
※リチウムイオン二次電池ようセパレータ スマートフォン向け電子部品など

  2012年 2013年 2014年
売上高 1315億円 1454億円 1509億円
営業利益 28億円 142億円 143億円
営業利益率 2.1% 9.7% 9.4%


経営計画

2020年度までに石油化学事業の売上高1兆円、営業利益800億円を目指す計画。2018年度までに約600~700億円投資。先端技術の試験設備の導入や輸液バッグや紙おむつ用樹脂材の新工場、低燃費タイヤ用合成ゴムの新工場の建設を検討している。

石油化学事業 2020年
売上高 1兆円
営業利益 800億円


【構造改革】
繊維原料など石油化学事業でコスト競争力のおとる国内の生産設備を停止。2014年1-3月期に特別損失180億円を計上。国内設備を停止することで、2017年3月期には年間50億円以上の営業利益改善効果を見込む。

構造改革 内容
2014年1-3月 特別損失 ▲180億円
2017年3月期 営業利益改善効果 50億円