国際通貨基金(IMF)によると、2013年末の日本の公的債務残高対GDP比は245.4%に達する見通し。日本政府は基礎的財務収支(プライマリーバランス、PB)の赤字を国内総生産(GDP)比で2015年度までに2010年度から半減させることを目標としている。
PBとは医療や年金、公共事業など政策に必要なお金を国債発行に頼らずに、税収などでどれだけまかなえるかを示す。PBを改善するには、税収を増やし、歳出も抑制する必要があるが、2013年度のPB赤字は33.9兆円に上る見込みで、この水準は消費税12%超の税収分に相当する。大型補正予算編成の影響で膨らんだとみられ、対GDP比では6.9%。2010年の6.6%より悪化している。
2015年度の半減の目標を達成しても、PBの赤字を全て穴埋めするには、15兆円程度の財政収支の改善が必要とされている。また、日本政府の利払い負担は政府歳入の25%に上っている。仮に金利が2%上がった場合政府の利払い負担は歳入の80%に上ることになる。
{主要国の債務状況(2013年推計)}
国名 |
対GDP |
日本 |
228.4% |
ギリシャ |
183.7% |
イタリア |
143.6% |
ポルトガル |
142.8% |
アイルランド |
129.3% |
アイスランド |
128.6% |
フランス |
113.5% |
米国 |
109.1% |
英国 |
109.1% |
スペイン |
97.8% |
{日本のプライマリーバランス推移}
政府は国と地方のプライマリーバランス(PB)の赤字を2015年度までに半減し、2020年までに黒字化する目標をあげている。
内閣府の経済財政に関する長期試算では、2015年度にPBの赤字は名目GDP比で3.2%となり、2015年までにPB赤字を2010年比で半減させる目標を達成する見通し。
試算は今後10年間の平均成長率が実質2%、名目3%と認定。消費税率を2014年4月に8%、2015年に10%と2段階上げると仮定している。
【目標】
|
2015年 |
2020年 |
目標 |
2010年比で半減 |
黒字化 |
【見通し】
|
2015年 |
2020年 |
発表 |
13年8月 |
14年1月 |
14年1月 |
見通し |
▲3.3% |
▲3.2% |
▲1.9% |
【実績】
|
2010年 |
2011年 |
2012年 |
2013年 |
実績 |
▲6.6% |
▲6.2% |
▲6.6% |
▲6.9% |