2015年4月9日、2015年度予算が成立した。一般会計総額は96兆3420億円。高齢化に伴う社会保障費は1兆円増の31兆5300億円。道路や橋などを補修する公共事業費は5兆9400億円、国債費は23兆4500億円となる。
一方、歳入面では税収は国・地方ともに回復し54兆5300億円。新規国債発行額は4兆3900億円減の36兆8600億円とする。税収増により、政策経費を税収でどの程度賄えるかを示す基礎的財政収支は18兆円の赤字から16.4兆円の赤字に縮小する。
2015年度予算
2015年度 | |
一般会計総額 | 96.3兆円 |
社会保障費 | 31.5兆円 |
公共事業費 | 5.9兆円 |
国債費 | 23.4兆円 |
地方交付税 | 15.5兆円 |
その他 | 19.8兆円 |
歳入 | 2015年度 |
税収 | 54.5兆円 |
新規国債発行額 | 36.8兆円 |
税外収入 | 4.9兆円 |
【社会保障費】
高齢化や医療技術の高度化などによる自然増や保育所や認定こども園の増設、職員増、給与増の子育て支援で1000億円、難病疾患への医療費助成対象の拡大で1000億円、住民税を課されない低所得者への現金給付継続で1800億円、国民健康保険への財政支援で1700億円の増加となる。
【公共事業】
老朽化対策や経済効果の高いインフラ整備に重点配分する。
【歳入】
税収は企業業績の改善で所得税や法人税が伸びる。政府が持つ株式や国有地の売却など副収入は5兆円程度を見込む。
予算推移
2013年度 | 2014年度 | |
一般会計総額 | 92.6兆円 | 95.9兆円 |
社会保障費 | 29.1兆円 | 30.5兆円 |
公共事業費 | 5.2兆円 | 6兆円 |
国債費 | 22.2兆円 | 23.3兆円 |
地方交付税 | 16.3兆円 | 16.1兆円 |
その他 | 19.6兆円 | 20兆円 |
歳入 | 2013年度 | 2014年度 |
税収 | 43.1兆円 | 50兆円 |
新規国債発行額 | 42.9兆円 | 41.3兆円 |
税外収入 | 4兆円 | 4.6兆円 |
【国債発行額】
2014年度の国債の総発行額は181兆5388億円で、新規発行額は41.3兆円、財投債が16兆円、借換債が122兆円、復興債が2兆円となる。長期金利が0.6%台と低水準であることから、長期債の30年債を増やし、借換債を発行する回数を減らすことで、将来の利払い費を抑制する。
国債 | 2014年 |
国債発行総額 | 181兆5388億円 |
新規国債発行 | 41兆2500億円 |
財投債 | 16兆円 |
借換債 | 122兆1495億円 |
復興債 | 2兆1393億円 |
財政計画
財務省は、2014年1月30日、2014年度予算をもとに2020年までの国の一般会計の歳出入を集計した「後年度影響試算」を公表した。経済成長3%で歳出抑制した倍位、税収は2014年度の50兆円から2026年度に60.4兆円に、歳出は2014年度の95.6兆円から2016年度は102兆円に増える。新規国債発行は2014年度の41.3兆円から2016年度に37.2兆円に減らせるとした。
2014年度 | 2016年度 | |
税収 | 50兆円 | 60.4兆円 |
歳出 | 95.9兆円 | 102兆円 |
新規国債発行 | 41.3兆円 | 37.2兆円 |