サントリーホールディングスの主力子会社で、清涼飲料を手がけるサントリー食品インターナショナルの東京証券取引所への上場が承認された。上場日は2013年7月3日。新株発行とサントリーHDの保有株売り出しを合わせ、市場から4700億円程度の資金を調達する見通し。
サントリー食品はコーヒー飲料「BOSS」や茶飲料「伊右衛門」など競争力の高いブランドを持ち、国内清涼飲料シェア2割とコカ・コーラグループに次ぐ2位につける。調達した資金は海外でのM&Aに充てる方針。株主配分では配当性向30%以上を掲げる。
6月17日に仮条件が発表され3000円から3600円に決定。6月24日に公募価格が発表され3100円に決定した。
{概要}
上場予定日 |
2013年7月3日 |
1単元株式数 |
100株 |
主幹事 |
野村證券 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 |
公募・売出 |
公募9300万株 売出2600万株 |
オーバーアロットメント |
620万株 |
仮条件決定 |
3000~3800円 |
ブック・ビルディング期間 |
2013年6月18日~6月21日 |
公開価格 |
3100円 |
{主要業績指標推移}
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売上高 |
経常利益 |
純利益 |
純資産 |
総資産 |
自己資本比率 |
2012年 |
9921億円 |
540億円 |
233億円 |
2042億円 |
8444億円 |
22.5% |
2011年 |
8933億円 |
555億円 |
294億円 |
1818億円 |
8028億円 |
20.6% |
{事業内容別業績推移}
【国内セグメント】
「BOSS」「サントリー天然水」等既存ブランドが好調。緑茶飲料「伊右衛門」リニューアルで前年同期比126%で推移。主力ブランドや新商品が好調に推移し、売上高は前年比3.0%増の6887億円となった。一方、営業利益は将来を見据えたマーケティング投資などにより前年比10%減の356億円となった。
【国際セグメント】
オランジーナ・シュウェップス・グループを中心とした欧州では円高の影響により前年を下回った。フルコア・グループを中心としたオセアニアでは主力のエナジードリンク「V」が好調。セレボス・グループを中心としたアジアでは、主力の「BRAND’S」が好調に推移。各国主要ブランドが好調に推移し、売上高は前年比35%増の3033億円となった。営業利益は新興国への先行投資や円高の影響で伸び悩み前期比8%増の425億円となった。
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年度 |
売上高 |
利益 |
資産 |
国内 |
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2012年 |
6887億円 |
356億円 |
2911億円 |
2011年 |
6685億円 |
395億円 |
2989億円 |
国外 |
国際(計) |
2012年 |
3045億円 |
425億円 |
5533億円 |
2011年 |
2249億円 |
393億円 |
5039億円 |
欧州 |
2012年 |
1248億円 |
244億円 |
- |
2011年 |
1310億円 |
269億円 |
- |
オセアニア |
2012年 |
333億円 |
50億円 |
- |
2011年 |
317億円 |
50億円 |
- |
アジア |
2012年 |
788億円 |
62億円 |
- |
2011年 |
621億円 |
16億円 |
- |
米州 |
2012年 |
675億円 |
67億円 |
- |
2011年 |
- |
- |
- |
{経営目標}
2020年 売上高2兆円
1,売上高 平均年率5%以上の成長
2,EBITDA 平均年率1桁台後半以上の成長
【国内】
重点ブランド強化として「BOSS」「伊右衛門」「ペプシ」など主力ブランド力を強化。自動販売機ビジネス強化として、設置場所の開拓活動を推進すると共に省エネ自動販売機など新機材への投資、商品補填活動の無駄を省くための自動販売機無線オンライン化などに取り組む。
【国際】
「Orannhina」「V」などのコアブランド強化と共に、新興市場であるベトナムでの事業開始やインドネシアでの事業拡大、中東・アフリカ・ラテンアメリカ市場での事業開発を模索する。