バリューHR(6078)は、独自に開発したインターネット経由の健康管理の統合システム「バリューカフェテリアシステム」を主に健康保険組合向けに提供。健康診断の予約や結果管理システムを健康保険組合の保険事業、一般企業の福利厚生事業に導入し、運営代行を引き受ける業務を中心に展開している。
バリューカフェテリアシステムとは、インターネットを通じて提供する各種サービスの基盤となる健康管理システムで、健康管理の目的や用途に応じて必要なサービスを選択し、利用することができる。健康サービスを介した個人の利用データはすべて本システムに格納され、健康組合などのデータ利用者は、サービス利用者の履歴や分析・レポートなどを閲覧し、利用することができる。
主要顧客である健康保険組合の財政は、2008年に後期高齢者支援金・前期高齢者納付金が導入されたことで負担が増加した。そのため、健康保険組合では疾病予防施策の強化をはかり、医療費削減を強く推進しようとしている。また、政府が発表した「戦略市場創造プラン」では国民の健康寿命の延伸が掲げられた。これを実現するため、厚生労働省は2013年度中に保険事業の実施などの指針を改定し、2014年度中に全健康保険組合に対してデータ分析に基づく保険事業である「データヘルス計画」の作成、実施の取組を求めている。
このような動きの中で、独自に健保を設立したいとのニーズが生まれており、健康保険組合設立支援コンサルティングの継続的な受託に繋がっている。また、新たに設立された健保の保険事業支援業務の受注を獲得することで安定的な顧客基盤を構築していくとしている。
{主要業績指数推移}
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売上高 |
経常利益 |
純利益 |
純資産 |
総資産 |
自己資本比率 |
2012年 |
18億円 |
3億円 |
1億円 |
8億円 |
39億円 |
21.3% |
2011年 |
18億円 |
2億円 |
1億円 |
6億円 |
39億円 |
17.5% |
{課題}
健康保険組合は特に疾病予防を目的とする健診事業に資源を集約している。そのため、バリューカフェテリア事業は、従来の保険全体を対象としたものから健康管理、健診事業のサービス充実に注力する必要がある。また、特定健康検査・特定保健指導の義務化をきっかけに、健診予約システムや健診結果管理システムの導入をさらに進めるとしている。
{調達資金使途}
バリューカフェテリアシステムなどのシステム増強の為に充当する。
投資先 |
総投資額 |
既支払額 |
資金調達 |
着手 |
完了 |
バリューカフェテリアシステム |
1.46億円 |
0.04億円 |
自己資金・増資資金 |
2013年1月 |
2016年12月 |
健診予約システム |
1.09億円 |
0.01億円 |
健診結果管理システム |
1.01億円 |
0.09億円 |
健康管理事業の検針業務支援システム |
0.37億円 |
0.05億円 |