シャープの注目しておきたい材料をまとめた。経営計画では2019年に売上高3兆2500億円、営業利益1500億円を目指す。有機ELパネルには2000億円を投資する。液晶パネルでは親会社の鴻海精密工業が米国、中国、インドでの投資を検討している。


経営計画 2017年~2019年

売上高3兆2500億円、営業利益1500億円を目指す。設備投資などに3年間で4000億円以上を充当。8KテレビやIoT関連事業を拡大する。

  2019年
売上高 3兆2500億円
営業利益 1500億円


有機EL

鴻海精密工業からの出資を受けて、有機ELパネルに2000億円を投資する。2017年から徐々に始まると見込まれる液晶パネルから有機ELパネルへの切替に備える計画。574億円を投じて有機ELパネルの試作ラインを堺市と三重県の工場に設ける。稼働は2018年4-6月を予定。また、スマートフォン向け有機ELパネルを中国で生産することを検討。2019年にも生産を開始するもよう。有機ELパネルの普及状況などを見極めて、今後の追加投資を判断するという。

また、シャープはジャパンディスプレイに対して有機EL事業での協業を提案しているもよう。

項目 内容
投資額 2000億円
生産 有機ELパネルの試作ラインを堺市と三重県に設置 稼働は2018年4~6月
スマホ向け有機ELパネルを中国で生産 2019年にも開始


液晶パネル

地域 内容 投資額
米国 米国での生産を目指す 8000億円
中国 2018年9月に生産開始 中国広州政府と双方で負担 1兆2000億円
インド インドでの新型テレビの需要増を見込む  

 
【米国】

鴻海精密工業は、2017年1月22日、米国に液晶パネル工場を新設する検討に入ったと発表した。投資額は8000億円規模。稼働時期は未定。米アップルも投資する見込み。

液晶パネル関連企業が少なかった米国での現地生産を目指す。鴻海は生産委託されている米アップルの「iPhone」についても米国での生産を検討。スマートフォンや液晶パネルを米国で作るとコストがかさむため、投資負担を抑えられる中国の地方政府のような支援が受けられるかも投資判断を左右することになる。


【中国】
鴻海精密工業とシャープは、2016年12月30日、中国の広州市政府と共同で世界最大級のパネル工場を建設すると発表した。鴻海とシャープが共同出資する堺ディスプレイプロダクトと広州市政府は約1兆200億円の投資協定を締結。巨額投資を双方で負担する。2017年3月に着工し、2018年9月をめどに生産開始。2019年に量産する計画。


【インド】
鴻海精密工業とシャープは、インドで液晶パネル工場を建設することを検討。薄型テレビの需要増を見込むインドで事業を拡大する。


シャープの業績推移

  売上高 経常利益 純利益 純資産 総資産 自己資本比率
2017年(予) 2兆5100億円 790億円 590億円 - - -
2016年 2兆506億円 250億円 ▲248億円 3078億円 1兆7736億円 16.6%
2015年 2兆4615億円 ▲1924億円 ▲2559億円 ▲312億円 1兆5706億円 ▲2.7%
2014年 2兆7862億円 ▲965億円 ▲2223億円 445億円 1兆9619億円 1.5%
2013年 2兆9271億円 532億円 115億円 2071億円 2兆1816億円 8.9%

 

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