トランプ米政権と与党・共和党の議会指導部は、2017年9月27日、税制改革案を公表した。
連邦法人税率を現在の35%から20%への引き下げを目指す。法人税率の主要国の平均は22.5%。日本は29.97%、フランスは33.33%、ドイツは29.55%となっており、主要国でも低い水準を目指す。
海外利益を国内に送金する際の課税も原則撤廃する。現行制度では、企業が海外所得を配当などで米国に戻す際にも35%の税率をかけるため、高い税負担を嫌う米企業は国外に資金を貯め込んできた。改革案ではこの課税を原則無くし、海外所得を米国内に戻しやすくする。
個人所得税は、現行税率は10%~39.6%の7段階だが、最高税率を35%に下げ、25%、12%の3段階に簡素化する。課税所得から差し引ける基礎控除を倍増するほか、子育て世帯の所得控除も増やして、中間層の負担減を目指す。
2017年内の法案成立を目指す。
米国では税制や予算の立案・決定権は全て議会にある。米国では法人税率を1%下げれば10年で約1000億ドルの税収が減る。議会は企業への特別な税軽減措置の縮小などで安定した財源を確保する考え。米国が減税を決めれば、日本など各国の税制改革議論にも影響する。