鉄鋼業界注目の自動車用高張力鋼板(ハイテン)は、自動車の衝突安全性と軽量化の両方を実現する。燃費性能向上を競う自動車メーカーは、軽量素材の採用を拡大。アルミ合金や炭素繊維強化プラスチックはハイテンよりも軽いが、価格はアルミがハイテンの2~3倍、炭素繊維強化プラスチックは約20倍高いとされる。新日鉄住金は、素材メーカーとの競争にハイテンで対抗。次世代鋼板でマーケットポジションの拡大を追求する。
2017年には、一般のハイテンと比べて2倍の強度を持つ「超ハイテン」の生産を2017年に米国で開始する計画。現在は日本だけで製造している超ハイテンを初めて海外で生産する。生産能力は年10万トン。
超ハイテンは、日産自動車が2013年夏に発売した高級車で初めて採用。現在は一部社油で骨格部品の数%に使われているもよう。超ハイテンの安定供給体制を整備し、アルミや炭素繊維より安い鉄需要を確保する。
また、現在の最高級ハイテンより強度が25%高く、重量を20~30%軽量化できるほか、プレス加工しても割れにくい特徴を持つ自動車用ハイテンを開発したもよう。2020年をめどに自動車の側面やフロントの骨格、シャーシーの一部などへの採用を目指す。
超ハイテンを米国で生産へ
項目 | 内容 |
商品 | 超ハイテン |
特徴 | 一般ハイテンより2倍の強度 |
生産 | 米国で生産を開始。初めて海外で生産 |
生産開始 | 2017年 |
最新鋭のハイテン開発
項目 | 内容 |
特徴 | 最高級ハイテンより強度25%高、重量20~30%軽量化 |
採用開始 | 2020年をめど |