新日鐵住金は、2015年3月3日、2015~2017年度の経営計画を発表した。2017年度売上高利益率10%以上、ROE10%以上を目指す。設備投資に年4500億円、事業投資に年1000億円を充当。設備の健全性やコスト競争力を向上する。生産体制の集約を含む統合効果やコークス炉のリフレッシュ効果などから3年間を目途に年率1500億円以上のコスト改善を目指す。
経営計画 2015~2017年
2017年 | |
売上高利益率 | 10%以上 |
ROE | 10%以上 |
D/Eレシオ | 0.5%程度 |
【投資】
項目 | 内容 |
設備投資 | 4500億円/年 |
事業投資 | 1000億円/年 |
工程の最適化
2016年3月30日、八幡製鉄所の生産集約計画を見直し。2018年末までに小倉第2高炉を休止する計画だったが、戸畑地区から小倉地区へ溶銑供給するための海底トンネルの建設費が上昇。中国市況の悪化もあり、計画を見直し。戸畑地区に高機能鋼材を生産できる鋳造設備を新設。製造工程を戸畑地区に集約し、生産コストを低減。小倉第2高炉の休止は2020年末に延期する。総投資額は約500億円と計画より数百億円上積みする見通し。
製鉄所 | 内容 | 修正前 | 修正後 |
君津製鉄所 | 高炉2基体制へ移行 | 2015年度末 | |
八幡製鉄所 | 戸畑地区から小倉地区へ溶銑供給 | 2018年 | 中止 |
小倉第2高炉を休止 | 2018年末 | 2020年末 | |
戸畑地区に鋳造設備を新設 | - | 2018年度 |
【コスト改善効果】
項目 | 内容 |
統合効果 | 600億円 |
体質強化投資 | 900億円 |
株主還元
項目 | 内容 |
配当性向 | 20%程度→20~30%を目安 |
参考
・高級鋼材の中間原料は国内製鉄所から輸出する方針で、国内の粗鋼生産能力は5000万トン規模を維持する。
・世界の鉄鋼需要は緩やかに増加するものの、2015年前半には華南~ASEANで新製鉄所の稼動が予想されている。
・日本の鉄鋼需要は年間6000万トン水準が継続すると見込まれている。