原料炭価格推移。原料炭の価格はスポット価格を参考に、新日鐵住金やJFEスチールなど鉄鋼大手が資源各社と交渉して四半期ごとに決定。自動車や電機など大口取引先と鉄鋼大手との鋼材価格のベースになる。
原料炭価格推移
原料炭 | 1-3月 | 4-6月 | 7-9月 | 10-12月 |
2017年 | 285ドル | |||
2016年 | 81ドル | 84ドル | 92.5ドル | 200ドル |
2015年 | 117ドル | 109ドル | 93ドル | 89ドル |
2014年 | 143ドル | 120ドル | 120ドル | 119ドル |
2017年
【1-3月】
1トン200ドルから285ドルへの引き上げで合意した。中国での生産調整で供給不足が意識され、中国やインドの製鉄所が購入。値決めの参考とするスポット価格の急上昇を反映した。
2016年
【10-12月】
1トン92.5ドルから200ドルへの引き上げで合意した。中国政府が4月に打ち出した炭鉱の操業制限により、中国の原料炭の生産量は制限前より10%減少。豪雨による原料炭の輸送トラブルも重なり、供給不安の高まりにより、スポット価格が急上昇した。
【7-9月】
1トン84ドルから92.5ドルへの引き上げで合意した。中国で鋼材価格の底入れ機運が高まり、スポット価格が反発していることを織り込んだ。また、資源大手グレンコアが豪州で運営する大規模炭鉱の生産停止表明や米国・カナダで閉山が相次ぐなど資源安で減産が本格化しつつあることを理由に、資源メジャーは値上げを強く求めていた。
【4-6月】
1トン81ドルから84ドルへの引き上げで合意した。中国の鋼材大手による採算改善に向けた鋼材の値上げや海外の鋼材市況が上向いたことが値上げを後押しした。
【1-3月】
1トン89ドルから81ドルへの引き下げで合意した。中国経済の減速で世界的に鋼材価格が下落し減産が拡大。原料需要が緩んだ。中国では中小の製鉄所が操業を停止している一方、資源大手は増産基調にある。