東芝は今後、NADA型フラッシュメモリー事業と原子力や火力発電設備事業に注力する。2016年の設備投資や投融資は、NADA型フラッシュメモリーや原子力事業に重点投資し、その他は原則として老朽更新に限定する。

フラッシュメモリーは、スマートフォンやデータセンター向け記憶装置の大容量化の需要が増える見通し。子会社の東芝メディカルシステムズや自動車、産業機械、家電、住設機器など幅広く使われる汎用的な半導体事業などを売却。売却で得た資金を、主力の四日市工場でのメモリーの設備増強などに投じる。

四日市工場では、米サンディスクとスマートフォンなどの記憶媒体の容量を大幅に増やす新型半導体3Dメモリーの量産を開始する。2015年度までに4000億円を投資。2016年3月までに量産を開始。2018年度までに9000億円を折半で投資する。

また、東芝は半導体メモリーの回路線幅をより微細化する次世代半導体露光技術「ナノインプリントリソグラフィ(NIL)を開発中。既存技術では半導体の微細化は限界とみられていることから、半導体メモリーの回路線幅をより微細化し、性能向上やコスト競争力の強化につなげる。


四日市工場への投資概要

項目 内容
投資 東芝と米サンディスクが折半
投資額 2018年度までに9000億円
生産 3Dメモリー
量産開始 2016年3月


次世代半導体技術の開発

東芝と韓国SKハイニックス社は次世代半導体露光技術「ナノインプリントリソグラフィ(NIL)を共同開発している。開発費は折半で、2015年4月から開発を開始。2017年の実用化を目指している。

NILは半導体メモリーの回路線幅をより微細化する半導体露光装置候補の1つ。東芝は回路線幅が15ナノメートルのNADA型フラッシュメモリーを2014年から量産しているが、既存技術では微細化の限界とみられている。半導体メモリーの回路線幅をより微細化し、性能向上やコスト競争力の強化につなげる。

項目 内容
開発開始 2015年4月
実用化 2017年


東芝のメモリ事業推移

 ※NADA型フラッシュメモリーなど

  2012年 2013年 2014年
メモリ事業の売上高 5290億円 8269億円 8606億円
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