日本政府はTPPの大筋合意を受けて、国内農業への打撃を抑える対策作りに着手する。2015年内にもまとめる方針。

コメでは、日本は米国と豪州にコメの無関税輸入枠を設ける。当初は5万6000トンで、段階的に増やし、13年目から7万8400トンにする。日本政府は米国と豪州からの新規輸入分と同量の国産米を買い上げ。市場に出回るコメの総量を抑えて、国産米の価格が下がるのを防ぐ。買い上げたコメは備蓄する。2013年度は440億円で18万3000トンを買い上げている。

また、政府は米国産などのコメの輸入量が拡大することを踏まえ、農地の大規模化などを通じた生産コストの引き下げを促す。政府は2014年度に複数の農地を集約して農業法人などに貸し出す「農地中間管理機構」を設立。2016年度にも耕作放棄地への課税を強硬して同機構に農地が集まりやすくする考え。農地の大規模化に合わせたパイプラインなどの施設設備を支援する予算の増額も検討。高齢化が進む農家の新しい担い手の育成も支援する。

また、牛肉や豚肉では、収益が生産コストを下回った場合、その差額の80%を国と生産者の積立金などで補填する経営安全対策を拡充することが検討される見通し。


TPP 国内農家対策

項目 内容
コメ 米国と豪州からの新規輸入分と同量の国産米を買い上げ
農地の大規模化
牛肉・豚肉 経営安全対策を拡充