政府は、2013年4月23日、農地集約や耕作放棄地の解消を後押しするための新組織「農地中間管理機構」を各都道府県へ設置することを示した。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加を見据え、小規模農家が分散する構造から、経営効率の高い大規模化へ転換を図る。
政府はTPPによる関税撤廃で安い輸入農産品が大量に流入すれば、国内の農業生産額が約3兆円減ると試算。安倍政権は国内農業の体質転換とともに、農林水産物・食料品の輸出額を2020年までに1兆円に倍増させる目標を掲げた。
新機構は農地の貸し借りを仲介するのが主な目的。現行の都道府県の農業公社は売買を仲介しているが、土地を手放す売り手の抵抗感が強く、利用が進んでいない。現在、耕作放棄地は全国で約40万ヘクタールにのぼる。
機構は農業公社を衣替えして貸し借りの仲介に機能を移行。機構が借りた農地には、国費を投入して農業用水路を整備するなど、借り手となる大規模農家や農業生産法人の生産性向上を支援する。